第18回全国首長連携交流会の開催概要

これからの急速な人口減少社会、超高齢社会を向かえ、日本の「国のかたち」が大きく変わろうとしています。成熟化による社会の大きな変化に対応し、住民の生活を維持・安定させていくためには、地方自治がますます重要になると考えられます。さらに、昨年末の政権交代により、国の政策も様々に変動することが予想されますが、現場を持つ基礎自治体としては、地域の実情に合わせた弾力的な自治体運営が求められています。
今回は、日本の将来展望と足元の基盤を確認しつつ、地域社会がどう自立して、住民の豊かな生活を構築していけるかを考える場にします。

□日 時:平成25年5月10日(金)14:00~17:45 18:00~交流会
11日(土)9:00~17:00 17:30~交流会

□場 所:政策研究大学院大学(東京都港区六本木7-22-1 TEL:03-6439-6000)
     受付・全体会場:想海楼ホール(1階)

□基本テーマ  地域社会の自立を考える(仮題)
-脱成長時代/成熟化社会における質の高い地域づくりを目指して-
基本テーマについて、主に以下の3つの観点から検討をします。
テーマ1:地域資源を有効活用する地域経済の構築
高度経済成長時代に作られた仕組みが機能しなくなっており、持続可能な地域社会をどう作るかが課題である。地域資源を生かしたローカル経済のあり方、交付税に頼らない自治体経営、地域の自立をどう進めて行くかを検討する。
キーワード:観光、再生可能エネルギー、農林水産業の再生、地域ブランディング、地域力の創造 等。
テーマ2:安全・安心な暮らしの構築
安全で安心して暮らせる生活環境をどう構築していくか。ハード面とソフト面から検討し、実践に結び付ける。具体的には、いわゆる自助、共助、公助をどう進めるかであるが、そこでは、住民の行政依存からの脱却も重要なテーマとなる。
キーワード:コミュニティの再生、防災、教育、生活保障、社会インフラの維持 等。
テーマ3:質の高い地域づくりを目指す政治・行政のあり方・進め方
明治以来の中央集権型システムでは、多くの課題が解決できなくなっている。現場の課題は、現場の近くで解決することが必要である。著しく変化する社会の中で、中央と地方の役割と責任分担を、主に制度面から検討する。
キーワード:地方主権、制度改革、震災復興対策、等

〔プログラム案〕 ※変更になる場合もあります。
<1日目>
社会システムの現状を踏まえて、適切なローカル社会のあり方を考えます。各分野の専門家、有識者等からご報告&課題提起をいただき、パネルディスカッションでは、地域の自立に向けて、国、地域、産業界等との連携による、具体的な施策につながる議論をしたいと思います。
1.挨拶
森 真(各務原市長、全国首長連携交流会会長)
久住時男(見附市長、提言・実践首長会会長)
政策研究大学院大学
2.基調報告(案)
・地域の自立に関する国の動き「地域の元気創造プラン(案)」について(仮題
・・・神谷俊一氏(総務省地域力創造グループ 課長補佐)
3.課題提起&ディスカッション「地域の自立に向けて(仮題)」
自立したローカル社会を構築するためにはどうすればいいか、多角的に考えます。各分野の視点からいただいた課題提起を、全体でディスカッションをします。
<課題の内容>
進行役:木下博信(前草加市長/地域交流センター客員研究員)
・基礎自治体の現場からの課題提起・・・市町村首長
・限界集落をどうするか・・・山下祐介氏(首都大学東京准教授)
・地方分権型社会への移行と地域経営・・・経済同友会メンバー(事務局に相談中)
・地域の自立と成熟社会システム・・・福島浩彦氏(前我孫子市長/前消費者庁長官)
4.総括提案
・地球規模の地域間競争に向けて・・・根本祐二氏(東洋大学大学院教授)
5.参加者紹介&交流会
・初参加の首長やゲストの紹介
・省庁幹部やゲスト講師、それに多彩な当会応援メンバーも参加し、率直な情報・意見交換の場とします。

<2日目>
1.テーマ別分科会 ※他のテーマの希望があれば設置を検討します。
3つの基本テーマに基づいて、省庁メンバーや学識者、実務経験者等を交えて、先進的事例に学ぶとともに、具体化に向けた意見交換をします。分科会の進行や取りまとめは、市町村長が務めます。
分科会1:自立的・持続的な地域産業の構築
地域の自立とは、交付税に頼らない自治体経営にどう転換していくかということでもあります。新しい地域の産業を育成し、雇用を確保し、地方の豊かさを活かした生活をいかに構築するか。様々な可能性や施策を横断的に検討します。
キーワード:地域解決型産業の育成、6次産業化、再生可能エネルギーの地産地消、
クールジャパン戦略、滞在及び交流型の観光戦略
ゲスト案:池渕雅和氏(農林水産省食品小売サービス課長)、経済産業省、神井弘之氏(GRIPS)、丁野朗氏(日本観光振興協会)、日本で最も美しい村連合
事務局:駒田健太郎
分科会2:安全・安心の地域づくり
東日本大震災から2年が経ち、災害に対する危機意識の低下が指摘されています。自助・共助・公助の備えを急ぎ、安全で安心な地域づくりを推進することが重要です。そこで今回は、セーフコミュニティや自治体BCPなどを切り口に、地域の安全安心について議論します。
キーワード:地域防災力の向上とコミュニティの再生、セーフコミュニティ認証、
自治体の事業継続計画(BCP)
ゲスト案:内閣府、総務省、倉持隆雄(厚木市危機管理部長)、牧之原市、
事務局:丸尾哲也
分科会3:超高齢社会と健康
団塊の世代の高齢化に伴い、2025年からの医療・介護の負担が大きくなることが予想されます。予防介護や健康寿命の延伸のための取り組みが喫緊の課題です。地域で支え合う健康まちづくりについて考えます。
キーワード:健康長寿の推進、介護予防、健康スポーツ、健康まちづくり
ゲスト案:岡村宏氏(芝浦工業大学)、青栁幸利氏(東京都健康長寿医療センター)、
いなべ市、厚生労働省、島崎謙二氏(GRIPS)
事務局:浜田靖彦
分科会4:教育現場の活性化
いじめ問題や教育委員会改革など、教育政策に関する政策課題の検討が進行中です。一方、被災地では復興教育への挑戦的取り組みなど、新しい動きも始まっています。そうした教育現場発の取り組みの活発化と、それを支える教育行政のあり方について検討します。
キーワード:教育委員会制度のあり方、教育行政職員の資質向上、教育の広域連携・教員交流
ゲスト案:宍戸仙助氏(前伊達市立富野小学校校長)、今野雅裕氏(GRIPS)、文部科学省、
事務局:橋本正法
分科会5:地域主権型社会の推進
明治以来の中央集権型の仕組みを反省し、「地域のことは地域が決める」ことができる地域主権型社会への移行が大きな課題です。「道州制」と一言で言っても、内容の形態は様々です。住民が幸福に暮らせる地域主権型社会について、様々な視点からの議論を試みます。
キーワード:中央集権システムからの脱出、地方自治の強化
ゲスト案:総務省、渋谷和久氏(内閣府審議官)
事務局:木下博信
担当者部会:住民参加の自治体経営(市町村担当者のスキルアップ部会)
これからの自治体経営を考えた時、地域住民の力をどう活用するかが大きなテーマです。そのためには、住民との対話の仕方が重要です。住民の意見を集めて、力を借りて行政に活かす工夫について、具体的に検討します。
キーワード:新しい公共、住民主導型の地域づくり、官民パートナーシップコミュニケーション
ゲスト:横道清孝氏(GRIPS)、大刀洗町、
事務局:村田まみ氏(大刀洗町役場)、山口覚、

<昼食> ※そのまま分科会会場で、食事をとりながら懇談していただきます。

2.分科会報告&意見交換
・テーマ別分科会からの報告
・3つの基本テーマごとに意見交換
3.全体総括「自立した地域社会づくりをどう進めるか」
・地域社会のレジリエンス・・・渋谷和久氏(内閣府大臣官房審議官(経済社会システム担当))
・国と地方の分かち合い・・・神野直彦氏(地方財政審議会会長)
4.交流会
・挨拶:森民夫(長岡市長/全国市長会会長)・・・予定
・ゲストや省庁メンバー等にもご参加いただき、自由情報交換を行います。